12畳半神話体系

家を退去した。友達と2人で住んでいた家を。

始まりは本当にたまたまで2人とも通学時間が丸々2時間くらいかかり、通っていた時は2人とも寝坊しては丸々大学に行かない1日も少なくはなかったり部活だけをしに片道2時間かけていくこともあった。

必死こいて朝起きてヘッドスライディングで電車に乗っている俺らを横見に下宿や一人暮らしのやつが朝シャンなどをして悠々と出席を重ねていくのを見て血が沸騰する思いでなにかこいつらに報復をと思い立ち上がったのが同居人と俺だった。

ルームシェアが決まってからは全てがスムーズに進んでいった。

たまたま空いていたリフォーム仕立ての2LDKを格安で借りることができた。両方の親からの月3万の支援もあり俺たちの俺たちによる俺たちのためのルームシェアが始まった。最初はまずは大学の近さに毎朝涙を流しながら登校していた。あまりの近さに実質家が大学ということに途中で気づいてしまい寝坊や1日寝るなどをしばしばしてしまっていた。それからというもの結局人間は環境に慣れていくものなので1ヶ月もすれば実家通いの時と変わらず必死な顔で朝チャリを漕ぐことになっていた。

それでもやはりはじめて実家を出てしかも友達と暮らすなんてこれほど面白いことはなく毎日島を救った時の麦わら海賊団のそれのように宴をした。島救ったことあるんか知らんけど。

時には後輩を呼び朝までマリオパーティーをし、時には部活のやつを呼び、時には先輩と半分寝ながら朝まで麻雀をし、時には大学のやつと飲み朝方に同居人にしばかれる友達を見て爆笑をし、こんな日々を繰り返していくうちに楽しすぎて逆にルームシェアしてないやつに申し訳なくなってたまに河川敷に行き大声で「ルームシェアしてないやつおつかれ!!!すんまめーーーーん」とわびもいれたぐらいだ。

でも全部楽しかったことばかりではない。

前はファミリーが住んでいたはずの隣の部屋が知らぬ間にゴチゴチのヤンキーが引っ越してきておりそんなことはつゆ知らず同居人と爆笑しながらWiiスポーツをしているとインターホンが鳴りモニターを見ると上裸のゴチゴチにいかつい兄ちゃんと両腕いっぱいに刺青が入ってるやつに苦情を入れられたこともあった。他にも後輩にはカーペットの上でねげろをされ、ベランダの室外機には蜂の巣ができ、泥酔したやつがうんこを漏らし、思い出せば無限に出てくる。それらすらも少しおもろかった。

よく周りのやつに「一緒におって喧嘩とかせーへん?」と聞かれるのだが喧嘩は一度もなかった。俺は結構雑な性格で家のことなどをあまりやってなくても文句などを言わず同居人はこなしてくれていた。半分諦めもあるだろうがそこは本当に感謝している。かすですんませんでした。同居人があいつでなければこんなふうにはいかなかったと思う。

奇跡のバランスだった。

 

できれば今の生活を永遠に飽きるまで続けたい。

でもそんなわけにもいかず、実家に帰り来年からはしごとをしなければならない。アホみたいな顔で。

それが本当に嫌すね。

 

あ〜あ人生が5回くらいあったらいいのになぁ!

そしたら私、5回とも違う街で生まれて、5回とも違うものをお腹いっぱい食べて、5回とも違う仕事をして、、、それでも5回とも、、、、

 

ルームシェアして毎日爆飲みする!!!!!

 

 

家に来てくれたやつ、退去の時になんかくれたやつ、全員サンキューな!!!

 

また来世のルームシェアでお会いしましょう。

さよなら俺らの愛した12畳。

 

 

くるり/奇跡

 

The Whoops/エンドロール